恋……シヨ?ー小沢尚人編ー
しばらく後、小沢先輩のかけた内線電話のおかげで、私たちは無事にチャペルから出る事ができた。


外はもうすっかり夕暮れで、オレンジ色に染まっている。



「いやぁ、悪い悪い!
まさか中に人がいるなんて、わからなかったなぁ」



そんな鍵の束を持ってドアをあけてくれたのは、少しも悪びれた様子も感じさせない世良先生だった。


ヘラヘラ笑みを見せてる所は、笑ってごまかしてるだけなのか、それとも…




「梅津、上手く女神の祝福は与えてもらえたか?」



「…っ!」



ボソボソっと耳元でそう訊いてきた世良先生に、私はボボッと顔が火照った。



「せ 世良先生、まさか…っ」



私と小沢先輩がチャペル内に2人でいるのを知ってて、わざと鍵閉めちゃったとか!?

しかも、それわかってて…っ



「もーう!!
世良先生ってば…」


…と言いかけた所で、チャペルの中から更に誰かが出て来て猛烈にビックリした。



「おっ
やっと開いたみたいやな」



「あー、よかったぁ。
もうずっとこのままかと思っちゃったわよぉ」





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