恋……シヨ?ー小沢尚人編ー
ヒュルルルル…

   パーーーーン




「あ…!」



薄暗くなってきた空に、色とりどりの花が咲き出した。



 パーーーン
     パ パーーン



「花火だぁ!」



そうだ。
ママ高の学祭最後のイベント、後夜祭の花火だ。


次々と上がっていく華やかな大輪の花に、私たちは思わず視線を奪われたように見ていた。







「この花火も、俺はこれで最後だな」



「ぁ…」



そうぼやいた小沢先輩の横顔が、花火の色に合わせて何色にも瞬いていた。


小沢先輩は3年生だから、だから最後って――。



「なぁにが最後だ、小沢は!」



「イテっ
何すんだっ」



そこでいきなり小沢先輩の頭を小突いたのは、ナント世良先生だった。


いつもみんなからヒーロー扱いを受けている小沢先輩も、まさかそんな事をされるとは思わなかったんだろうな。

そんな世良先生に、ちょっぴり動揺の色は隠せてないみたい。



「小沢が最後なら、来年の花火は俺が梅津と見るかな?」



「はぁ?
ちょっ、ふざけんな!保健医!!
お前は自分のショバでエロ本でも読んでろっつーの!」



あれ?この小沢先輩の慌てよう。

もしかして、ヤキモチ妬いてくれてるのかな?


…なんて、まさかね。



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