恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
もしかして…今なら開いてるかも…?


ただの直感でそう思い…

ううん、開いていてほしいという願いを込めて私は教会に近付く。



「先輩……?」



武藤くんも不思議そうに何も言わない私の後についてくる。

そして大きなドアの前に立ち、緊張しながら金色の取っ手に手を掛けた。



「──…!!」



ガチャリ、音がしてそのドアが開く。

奇跡だ……!!


感動しながら、一歩、また一歩とゆっくり中へ足を進めた。



窓からは明るい陽射しが入り込み、ステンドグラスをキラキラと輝かせている。

バージンロードの先には大きな十字架と荘厳なパイプオルガン。


まるでこれから結婚式が始まるような錯覚に陥ってしまう。


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