恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
目の前の先輩が目に入ってないように固まったままの私に、先輩は怪訝そうに眉をひそめてもう一度尋ねた。



「おーい梅津。好きな奴はいるのかっての」


「ぁ…。い、いま……すぇん」


「なんだ、その微妙な答えは」



先輩は口の端を引きつらせてうなだれる。


だ…だってだって!!

突然そんなこと聞かれても正直に答えられるわけないでしょ!



また黙々とねぎを切り出す私に、先輩はまだ何かを聞き出したい様子。



「…もしかして、お前の好きな奴って優──」


「はいぃっ!!??」



先輩が言い終わる前に思いっきり反応してしまった。


今絶対“優也”って言おうとしたよね!?

優ちゃんはたしかに仲良しだし、好きではあるけど…!


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