恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
それを嗅覚にも劣らぬ聴覚で聞き取った先生は、満足げな笑みを浮かべて腕を組む。



「へ~ぇ、梅津の好きな奴は武藤だったのか」


「っっ!!??」



ば、バレてる──!!!



「お前嘘つくのヘタだねー。
だいたい友達の話だなんてのを鵜呑みにする奴がいるかよ」


「~~~っ…」



そ、そうですよね…。

世良先生相手に嘘なんてつこうとした私がバカでした…。



「どうせ今日ここに来た目的はそれが聞きたかっただけだろう?」


「……スミマセン……」



がっくりうなだれていると、小さくため息を吐き出した先生はデスクの引き出しの中から二つの箱を取り出して私の目の前に置いた。

それはどう見ても女子生徒からもらったお菓子が入っていただろう箱。


何で今これを……?


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