雪幻の墓標


 1週間後。
 山間にできた大きめの町に到着した。

 ここへ来る道中、リヴェズがいきなり魔物を捕まえてきたこと4回。
 うち1回は野宿で結局食べる羽目になってしまった。

 リヴェズが野宿で不寝番をするというので流石に交代にしようと提案したが、どうやら寝なくても大丈夫らしい。

 本人曰く「エフィと君が居なかったら宿も取らずに町も素通りするよ」。

 通りがかった村の近くに棲みついた魔物をリヴェズが退治して報酬をもらうところも目の当たりにした。
 よくまあ、あの巨体を数秒で撃沈したものだ。

 あの後、偶然居合わせたどこぞのスカウトとの会話が面白かった。
「そんな人材を探すような暇があったら、君があの魔物を退治すれば良かったじゃないか」
「あんなのが倒せるようなら私が国に雇ってもらって高給もらってる!」

 今晩も、妹夫婦の部屋の前には取り込み中の札がかかっている。
 今回は部屋が隣同士なので、夜中に変な声が聞こえたりしないかと冷や汗をかいたが、それはなかった。

 その代わり――


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