甘苦プリンセス【完結】
『あれ…?』


なんでキス野郎が一人で、桜の木の下に座ってるんだ??

アイツなら、女の子達に囲まれて、帰ると思ってたのに。

なんか…
横顔が寂しそうなのは、気のせい?


『何一人で、青春してんの?』

気付いたら、アイツのとこに駆け寄っていた。


「魅奈から喋りかけてくるなんて、久しぶりだな」

そう言って、キス野郎は寂しそうに笑う。

『今日会ったばっかりでしょっ』

「…うん」

あー、なんかこんなテンションの低いキス野郎も、気持ち悪いなぁ。


『何があったかは知らないケド、心配になったら友達に相談だよっ』


「おう。」

『じゃあね』



「待って!」

帰ろうとした私の腕を、いきなりキス野郎が掴んだ。

『な…何!?』



「えっと…、まだ帰らないで……」

な、何コイツ
女の子みたいなコト言ってるの!?

いつもの余裕顔は、ドコ行った!?


『分かった。』

そう言って、私はコイツの隣に座った。

まぁ、さっきの横顔も気になったし

後で聞いてみるか。


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