甘苦プリンセス【完結】


そして、今に至るワケでして……



『…俺、何でも聞くよ?』

俺の手を握る、魅奈の手が
震えている。



「無理だよ…、言えない……」


涙の波が押し寄せる、魅奈の瞳を

俺は逸らさずに、じっと見た。



『なんで、言えないの?』


「…私だけが、背負えばいいんだよ……」


魅奈が保健室に来た理由は、風邪とか頭痛とかじゃない……

何かもっと
深刻な理由であるはず……


なのに、その理由がいまだに分からない俺って……


まじイケてねぇ。



< 61 / 121 >

この作品をシェア

pagetop