甘苦プリンセス【完結】
そして、今に至るワケでして……
『…俺、何でも聞くよ?』
俺の手を握る、魅奈の手が
震えている。
「無理だよ…、言えない……」
涙の波が押し寄せる、魅奈の瞳を
俺は逸らさずに、じっと見た。
『なんで、言えないの?』
「…私だけが、背負えばいいんだよ……」
魅奈が保健室に来た理由は、風邪とか頭痛とかじゃない……
何かもっと
深刻な理由であるはず……
なのに、その理由がいまだに分からない俺って……
まじイケてねぇ。