続・君へ

待ち合わせ場所に着いたのは10時15分。

不機嫌そうに柱にもたれてる空のもとへ駆け寄る。

「空ごめん。遅刻しちゃって…」

「いいよ。俺も今来たとこだから。」

その言葉に安心したのもつかの間

「なんて言われると思った?」

ですよね。

「もしかして思ってたんだ」

「そ、そんなこと思ってない!」

「蓮?嘘つかないでいいよ。」

「ごめんなさい」

空には勝てません……

「まぁ、いい。行くぞ」

と言いながらさりげなくうちの荷物持ってくれるんだね。

「空?ごめんね」

「もういいよ。」

あきれたように笑いながら頭をなでてくれた。
嬉しいけど人前じゃ恥ずかしいよ。

でも、手が頭の上からなくなっていくのが悲しくて……

「とりあえず映画見に行こぜ!」

「うん!」



しばらくして映画館に着いた。

「何みたい?」

「うーん。あっ、これがいい」

「やっぱり、蓮ならそれだと思った」

そう言いながらうちに映画のチケットを渡してくれる。

「さきに買っといたんだ!」

嬉しい。

「あっ、そうそうお金」

バックに手をかけようとしたら空がそれを止めた

「お金は要らない。彼氏なんだからおごらせろ」

「でも…」

「でもじゃない!」

空が引いてくれそうにないから

「ありがとう」

と、そっと呟いてみる。
空は満足したのか、「それでいい」って言いながら笑ってる。

映画を見るために席に座った。
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