続・君へ
~放課後~ *蓮*
「蓮帰んないの~?」
「ちょっと用事」
女友達とそんなふうに話ながら直也が話しかけてくるのを待った。
「蓮帰ろ!」
「雪、ごめん。先帰ってて?」
「う、うん。分かった」
「ごめんね。バイバイ」
「バイバイ」
どうしてこの時雪が悲しそうな顔してるのに気付かなかったのかなぁ。
教室からうちと直也以外の人がいなくなったころ直也が話しかけてきた。
「残ってくれてサンキュー」
「いえいえ。それより話って?」
「あ、えーと」
直也がなかなか言わないから不信に思ってると
「俺、蓮のこと好きなんだ。付き合って欲しい」
え?嘘……
直也がうちのこと好き!?
「冗談言わないでよ…」
「本気だよ、考えといて」
そういって直也は教室を出ていった。
直也がうちを好き?
直也はうちにとって友達。
そんで、雪の好きな人、そんな人と付き合うなんて無理だよ……
うちは急いで直也を追いかける。
階段のところに直也を見つけて
「直也待って!!」
止まった直也に追い付いてから
「うち直也とは付き合えない」
「それは、まだ空を好きだから?」
「空?空のことはとっくに好きじゃないよ」
「嘘つくなよ!」
「嘘じゃない!」
《ほんとに?》
また、心の声が問いかけてくる。
それを無視して
「うちはもう空のこと…」
言えない。これ以上は……
「まだ好きなんだろ?」
ちがう。違うのに声が出ない
「好きじゃないなら何でいつも空を見てるんだ?いつも空のこと気にしてたじゃねーかよ!」
うちが空を……?
涙が出てくる。うちは空のことまだ好きだったんだ。でも、別れを告げたのはうちだから…
「俺じゃだめか?」
「空を忘れるのに俺と付き合わねーか?」
そう言いながらそっと直也がうちを抱き締めた。
振り払わなきゃ駄目なのに力が入らない。
ごめん…
罪悪感が溢れてくる
「蓮?」