虹の見える向こう側


あいつに怒ったところであいつはそんなことちっとも気にしてないし、こっちが疲れるだけなのだ。


何に怒っているかわからずにきょとんとしているあいつを見ると、怒る気もなくなって溜め息しか出てこない。


怒っているこっちが馬鹿らしくなってしまう憎たらしいやつなのだ。


「もういいや。ねぇ、カラオケ行かない?」


花梨もそれがわかっているのか、切り替えようと明るくそう言った。


< 30 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop