虹の見える向こう側
Episode.3
-1-
学食というのは待っていれば意外と座れるものだということに、大学に入って半年以上が過ぎた今になって気づく。
とはいっても、空いてる席を探すのに昼食の乗ったお盆を持ってうろうろするなんて滑稽な姿をさらすのは嫌だから、人との待ち合わせでもなければ利用しないけど。
久しぶりに買った学食のお盆を机に置いて、私は向かい側の空席を見つめる。
待ち人は、なかなか現れない。
そもそもあいつが待ち合わせの時間ちょうどに来たことなんてないんだけど。