BRACK☆JACK~序章~
「意味のないことなんてないのよ。この世の中、無意味なことなんてないから…」
ユイは、レンが手にした、まだ浮き上がってこないポラロイド写真を見つめてそう言った。
その顔は、何処か寂しそうで。
「…いい、記念になるわね」
そうユイが呟いた時、微かに異様な気配を感じる。
「何だ?」
エイジが立ち上がると同時に、窓ガラスが割れた。
「手榴弾!?」
「外へ出ろ!!」
三人は玄関から外に飛び出す。
次の瞬間、爆発が起きた。
「………!!」
爆風に吹き飛ばされて、三人は廊下に倒れこむ。
「ごめん、私が後をつけられたのかもしれない…」
けほけほと咳をしながら、ユイは言った。
「いや、それだけじゃねェと。俺たちの客かも知れねェしな」
硝煙の匂いが立ち込める中、ユイを抱き起こしながら、 エイジは言った。
だがまだ 、アパートを取り囲む殺気は消えてはいない。
「どっちにしろ長居は無用だ。逃げるぞ」
いつの間にか日本刀を握りしめ、レンは言った。
「オマエ、ほとんど無意識に武器取ってるだろ」
呆れたようにエイジが言う。
アパートの廊下には、すでに敵が待ち構えていた。
レンは手早く、そいつらを片付ける。
「おい、一人くらい動けるようにしておけよ。じゃねェと 、こいつらどこの誰なのかわからねェだろうが」
言いながら、軽い身のこなしで敵を蹴り倒すエイジ。
敵はあっけなく倒れる。
「…テメェもな」
振り返るレンの言葉に、エイジは肩をすくめた。