今夜 君をさらいにいく【完】
意地悪そうにそう微笑むと、私の首筋に唇を這わせた。
「えっ黒崎さん・・・」
「もうセンターには誰もいない。鍵も閉めたから大丈夫だ」
なんて笑いながら言って、首元のネクタイをゆっくりと緩める。
「鍵閉めたからって・・・ここ会社っ」
次の瞬間、かみつくようなキスをされた。
だんだん激しくなり、頭がくらくらしてくる。
「お前、うるさい」
黒崎さんはそうささやくと、再び私の首筋から胸元にかけてキスを落とした。
私の頭の中は、黒崎さんでいっぱいで。
このままどこかに飛んでいきそうなくらいの悦びを感じた。
会議室には長机の軋む音が響いた。