今夜 君をさらいにいく【完】




笑った!!!


私が驚いてる事に気付くと、プイッと背を向けられた。



「お前はいちいちうるさい奴だなっ」



と、少し取り乱してる黒崎さんが可愛く思えて笑ってしまった。


なんだか昨日から一気に黒崎さんとの距離が縮まったように思える。




昼休み、三条君がまたカレーうどんをトレイに乗せてやってきた。



「桜井さん、体調大丈夫ですか!?」


「うん、ごめんね心配かけて。もう大丈夫だよ」



昨日の夜、三条君から、朝無事に会社に行けたかというメールが入ってたので、体調崩した事をさらっと伝えていた。



「またカレーうどん?ホントに好きだよね」


「俺、一途なんですよ。食べ物も恋愛も」



そう言い、笑って私の顔をじっと見つめてくるので、目を逸らしてしまった。



「てか桜井さん、店どこなんですか!?マリナさんやアユムさんに聞いても教えてくれないんですもん」


「ちょっ!いくら小声でもこんな所でそういう話しないでよ!」



マリナやその彼氏には絶対言わないでと口止めしてある。


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