七夕の星達(完)
「…きれいだね…ななか(七歌)ちゃん」
「うん…あまのがわとか、とってもきれいだね…ゆうた(夕太)くん」
二人は瞳を輝かせ、無垢な笑顔を浮かべてそう言った。
「…ねぇ、たんざくにおねがいごとはかいた?」
ふと、夕太が七歌の顔を見ながら問いかけた。
「かいたよ!!でも、おしえないよ?おしえたら…ねがいごとがかなわなくなっちゃうもん…」
「…そうなんだ…じゃぁ、ぼくもおしえない!!」
草原の上に膝を抱えて座り、二人は手を繋ぎながら並んでいた。
二人でクスクス笑いあってしばらく経った頃…。
「あ、ながれぼしだ!!」
「ほんとうだ!!」
天の川を滑るように、流れ星がたくさん流れた。
その日は流星群が流れる日だった。