七夕の星達(完)
急に表情が暗くなった七歌に、夕太が話しかけた。
「ぼくね、ななかちゃんのこと、すきだよ」
「…あたしも、ゆうたくんのこと、すきだよ」
どういう意味で、二人がお互いを好きと言ったのかは分からない。
「たとえかなわなくても、ぼくはななかちゃんのこと、ずっとわすれないから」
「…でも、いちねんまつのはさびしいよ…」
「…これ、あげる」
夕太は七歌の頭に何かを被せた。
「ここにあるシロツメクサであんだんだ!!はなかんむり、にあうよ‼」
七歌を待つ間、夕太がプレゼントしようと編んだ物だった。
「…じゃぁ、あたしはこれ!!くるとちゅうでシロツメクサみつけて、うでわあんでたの。そしたらおそくなっちゃって…」
七歌は眉を下げて笑った。