七夕の星達(完)
「またね…またね、ゆうたくん!!」
口を突いて出てきた言葉を、繰り返した。
「うん…またね、ななかちゃん!!」
決して、さよならとは言わないよ…。
言いたくないから…『さよなら』なんて、別れの言葉。
夜が明けて、朝が訪れた。
気が付けば、朝日の眩しさに溶け込んで、二人は消えていた。
二人はいったいなんだったのだろう。
そんな疑問が、解決することはあるのだろうか。
今わかることは、二人のいた草原の草が、何故か折れているということだけ。
そう、二人が座っていたはずの草原の一部の草が、折れていた。
その事実が、二人が確かにそこに存在していたのだと、証明していた。