七夕の星達(完)
「…な、なか?ゆうた、くっ…!?」
散歩をしていた一人の女性は、散歩の途中でいきなり走り出した。
自分の家を通り過ぎ、隣の一軒家のチャイムを押した。
「…どうしたの…七実(ナナミ)?こんな朝早くに…」
「夕奈(ユウナ)!!聞いて!!今、二人がいたのよ!!七歌と夕太君が!!見間違いなんかじゃないわ!!本当にいたのよ!!」
「…見間違いよ」
その瞳に一瞬影が宿ったが、すぐに何事もなかったかのように、そう言った。
「いたの!!本当よ!!」
必死にそう言う七実の腕は、夕奈の腕を掴んでいた。
そんな七実の腕を優しく自分の腕から離し、夕奈は頭を横に振った。
そして、やんわりと諭すように、七実に話しかけた。