溺愛カンケイ!
そしてポリポリとこめかみを掻き
「花音ちゃん俺さ、変わろうと思ってるんだ。27歳にもなってフラフラしてたらダメだって今更ながらに気付いたんだよね」
遅いけど、と苦笑いし言葉を続ける。
「好きな子に対して誠実でありたいと思ったんだ。このままの俺じゃ嫌われるだけだから…」
「主任は今、好きな人がいるんですね」
「んー、まぁね…」
主任は複雑そうな顔をし曖昧に言葉を濁す。
「田中主任、頑張って下さいね。女の子は自分の事だけを見て欲しいと思ってますから」
「そうか…そうだよね。でも今の俺じゃ好きな子には本気が伝わらないと思うから…胸を張って伝えれる様に頑張るよ」
ふわりと笑う。
そんな風に思えるようになるなんてすごい変化だ。
「主任、本当にその人の事がホントに好きなんですね。私、応援します」
私の言葉に何故か主任は寂しそうな笑顔を浮かべ
「よし、花音ちゃん飲もうか?」
田中主任はビールをグイッと飲み干した。