溺愛カンケイ!
どう足掻いても課長は降ろしてくれなさそうだったので抵抗をやめた。
もう、なるようになれ!
落ちたくないし…と半ばヤケになりお酒の力も借りて課長の身体に顔を埋めギュッと抱きついた。
それに気付いた課長は歩くのを止め、ふっと笑いまた歩き出す。
課長のシトラスの香りが私を落ち着かせてくれる。
今だけは嫌な事を忘れたかった。
駐車場に着き、とめてあった車に乗せられ
「ちょっと待ってろよ」
課長は側にあった自動販売機で水を買ってきて、それを渡された。
「ホラ、これでも飲め」
「ありがとうございます」
ありがたく受け取りゴクリと飲んだ。
カラカラに渇いた喉が潤っていく。
「少しは落ち着いたか?」
優しく声をかけられ、コクリと頷くと
「じゃあ、帰るか」
そう言ってエンジンをかけ課長は車を走らせた。