溺愛カンケイ!

課長の部屋はマンションの12階。

エレベーターの中ではもちろん無言だったけど緊張のあまり変な汗が身体から吹き出てる気がした。


鍵を開けて入れ、と気軽に言う課長。
生まれて初めて男の人の部屋に入るからドキドキしない訳がない。


「お、お邪魔します」

「ククッ、そんなに緊張しなくてもいいだろ」

吃りながら喋る私の背後で笑う。


「き、緊張しますよ!初めてなんですから。男の人の部屋に入るなんて」


私の言葉に課長は驚いた様に目を見開いて


「そうか…」

呟き、フッと笑い目を細めた。


課長の部屋はシンプルでシックな色で統一され綺麗に片付けられていた。


男の人の部屋ってこんなに綺麗なものなの?
何か負けてる気がする…。


「適当に座って」


課長はスーツの上着を脱ぎ、ネクタイを緩めながらキッチンに入っていく。
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