溺愛カンケイ!
「そうか…。じゃあ、そろそろ本題にはいろうか」
「えっ、本題?」
「あぁ、居酒屋の通路で何があった?あんなに身体が震えるぐらいのダメージを与えられるなんてよっぽどの事だろ?」
違うか、と。
「言いたくなければ無理にとは言わない。だけど俺は小林が抱え込んでる想いを打ち明けて欲しい」
あまりにも真剣な表情に胸が締め付けられキュッと唇を噛んだ。
「前に佐藤が言ってただろう。昔のお前はよく騒いだり話題の中心にいたって。前に街で友達と遊んでる小林に会った時は完全な“素”だっただろ」
「あっ…」
あの時の事が頭を過る。
「友達と話をしてる小林はとてもイキイキしてたよ。あれが本来の姿なんだよな」
そうだろ?と。
「佐藤が言ってた小林が別人の様に変わってしまった事と居酒屋での出来事と何か関係があるんじゃないのか?」
私をじっと見つめる課長の眼鏡の奥の切れ長の目が真意を探ろうとしていて、目を逸らすことが出来ない。