溺愛カンケイ!
「う、嘘…でしょ…」
信じられない。心臓が止まりそう。
左手で胸を押さえる。
「ホントだよ。俺はお前と初めて会った時から気になってたんだ。いつの間にかお前の事を目で追っていた。20歳のお前がこんな30のおっさんに言われても嬉しくないだろうがな…」
課長は自嘲気味に言う。
「か、課長はおっさんなんかじゃないです!とても素敵でカッコいいし私はす…、あっ、いや…」
何でもないです、と口ごもった。
危ない。慌てて好きって言葉を引っ込めたけど課長は私の言葉を聞き逃してなかった。
「私は、何?教えて、花音」
ズルイ、こんな時に花音て名前で呼ぶなんて…。
「俺に花音の気持ちを教えて」
真剣な眼差しで私の心を射抜き
「あの…私は今までちゃんと恋愛とかした事がなくて、恋とかよく分からなかったんですけど…課長の事を見るとドキドキするんです」
ポロリと口から溢れ落ちる。