溺愛カンケイ!
四月になり今日から新入社員が入ってくる。
私も二年目だし頑張らないと。
部長が新入社員を連れて来て朝礼が始まった。
「今日から営業部に配属になった金沢蓮くんだ。これからしっかり指導して鍛えてやってくれ。じゃ、金沢くん挨拶して」
原田部長に促され新入社員の人が
「金沢蓮です。今日からよろしくお願いします」
深々と頭を下げた。
「田中、お前の下についてもらうから」
「はい、分かりました」
部長たちのやり取りを黙って見てるとアレ?と首を傾げ数回瞬きした。
金沢…蓮?どこかで聞いた事ある名前だけど。
自分の記憶を辿っていると…思い出した、蓮にぃだ。
実家の隣に住んでた一歳上のお兄ちゃんみたいな存在の幼なじみ。
頭を上げた蓮にぃと目が合った…?
蓮にぃはパッと目を見開き
「花音?花音だろ。久しぶりだな。元気にしてたか?俺が分かるか?」
蓮にぃは他の社員が見てるのもお構いなしに私の席まで来てまくし立てるように言う。