溺愛カンケイ!

「ちょ、ちょっと蓮にぃ、静かにしてよ!仕事中だしみんな見てるから」

目立つのは嫌だから困る。

「あっ、悪い。つい…」

周りの視線に気付いたのか焦ったように部長の側に戻っていく。


「金沢!案内するから早く来いよ」

「はいっ、すいません。じゃあな、花音」

田中主任に呼ばれた蓮にぃ。


ふぅ、溜息が出る。
ふと拓也さんの視線を感じ目が合ったけどすぐに逸らされた。

どうしたんだろう?

その日、拓也さんは話しかけても冷たくあまり目を合わせてくれなかった。

私、何かしたんだろうか。いつもと違う態度に戸惑いを隠せない。


仕事は定時で終わった。
拓也さんは出先で今日は残業のはず。
会社を出る前に拓也さんにメールした。

――――――――――――――――
To.拓也さん
sub.ごめんなさい
本文.
お仕事、お疲れさまです。
私、今日何か失敗しましたか?
何かしたのなら謝ります。
ごめんなさい。
ホントは拓也さんと話がしたかったです。

――――――――――――――――――――

パタン、携帯を閉じた。
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