溺愛カンケイ!

「それはどういう事ですか?」

私の言葉に拓也さんはバツの悪そうな顔をして

「あいつ、新入社員のやつは花音の何なんだ」

小さな声で呟く。

「蓮にぃは私の実家の隣に住んでた幼なじみのお兄ちゃんみたいな存在です…けど」

「本当にそれだけか?」

抱き締めていた腕を緩め、私の顔をじっと見つめ確認するように聞いてくる。


「はい、特に何もないですよ」

「そうか…。何もないならいいんだ」


拓也さんはホッと一息つき、もう一度ギュッと力を込めて抱き締めた。


「俺は花音の事になると余裕がなくなるみたいだ。もう花音を誰の目にも触れさせたくない」

「えっ!」

耳を疑うような拓也さんの言葉に心臓がドクンと跳ねる。


「俺はいつからこんな男になったんだろうな」


ふっと笑い

「花音の事が愛しくてたまらないよ」


…っ、私は都合のいい夢を見てるのだろうか。

心を鷲掴みされたように胸の奥がキュッとなる。

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