溺愛カンケイ!
「花音の口から他の男の名前を聞くだけで苛々する」
私の肩に顔を埋めボソボソと喋る。
「そんな…私だっていつも拓也さんに群がる女子社員の人たちにイライラしてます」
「花音も?」
驚いた声を出す。何を今さら、と思うけど。
「そんなの当たり前ですよ。だって拓也さんモテるから…私の場合はイライラを通り越して胃がキリキリしそうです」
嫉妬ばかりしてる自分が嫌になる。
「そうか…でも俺は花音だけだよ」
拓也さんは微笑み優しく唇にキスを落とす。
好きだよという気持ちの伝わるような甘い口づけに身体の力が抜けてくる。
「んぅ、…はぁっ」
唇が離れ透明な糸が二人を繋ぐ。
それはプツリと切れ拓也さんは私の唇を親指で拭い自分の唇を真っ赤な舌でペロリと舐める。
その姿がやけにいやらしくてドキドキする。
そして
「はぁーこのまま押し倒したいけど明日出張なんだよな」
帰りたくないな、と駄々っ子のように。
「た、拓也さん、ダメですよ。帰って準備しなきゃ」
夢見心地だったのに急に現実世界に戻された気がして焦ってしまう。