溺愛カンケイ!
「花音は俺と一緒にいたくないのか?」
コツンと額と額を合わせてくる。
ズルいよ、その言い方。
「それは…もちろん拓也さんと一緒にいたいけど明日出張でしょ。早く帰って準備しなきゃ」
間近で見る拓也さんにまだ慣れない。
ドキドキしながら口を開くと
「分かったよ、そんな困ったような顔するなよ。今日はおとなしく帰るよ」
チュッと音を立ててキスを私に落とす。
「花音、ちゃんと髪を乾かして寝るんだぞ」
肩に掛かっていたタオルを私の頭に被せゴシゴシと拭く。
「フフッ。はぁい。おやすみなさい」
「ん、じゃあな」
ポンポンと頭を撫でて拓也さんは帰っていった。
私だってホントは帰って欲しくなかった。
ギュッて抱き締めてもらって眠りたかった。
でも我が儘は言えない。仕事に差し支えたらイヤだし。
明日出張なのにわざわざ話をする為だけに来てくれたなんて。
拓也さんの優しさに頬が緩む。
髪を乾かしベッドにダイブし眠りについた。