溺愛カンケイ!
「あれ?花音お酒大丈夫なのか」
私がグラスをテーブルに置くと蓮にぃは驚いた表情で言う。
「私、来月で21歳だよ。もうお酒飲めるし」
「違うよ、俺が言ってんのは年齢の話じゃないよ。紫音さんが花音はお酒弱いからって言ってたし」
「えっ、嘘っ。紫音にぃに会ったの?」
蓮にぃの口からまさかの人物の名前が。
ビックリしてパチパチと瞬きした。
「あぁ、連絡とかたまに取り合ってる」
知らなかった。
蓮にぃと紫音にぃがそんな仲だなんて。
「ねぇ、花音ちゃん。しおんにぃって誰?」
田中主任が不思議そうな顔をして聞いてくる。
そういえば私と蓮にぃだけで盛り上がってた。
「私の実の兄です」
「花音の兄さん、紫音さん凄いシスコンなんですよ。あっ、花音にお酒を飲ませすぎるなって言われてたんだ」
やべぇ、と額を押さえる。
「紫音にぃがそんな事を言ってたの?」
「ああ、紫音さんが言うには、三杯までがセーフ。それ以上飲ませると…」
蓮にぃは一呼吸し、みんなは食い入るように蓮にぃの言葉に耳を澄ませた。