溺愛カンケイ!

「俺、花音ちゃんの事好きだから」


突然の主任の言葉に耳を疑った。

原田部長たちもピタリと動きを止めた。


「前に言ったよね、好きな子に対して誠実でいたいから…俺は変わるって。今なら言える気がした。花音ちゃんの事が本当に好きなんだ」


心臓がドクドクと激しい音を立てる。
田中主任が私を?


「あっ、あの…私…」

上手く言葉が紡げないし呼吸ってどうするんだっけ?ってぐらい息が乱れる。


テーブルの下で膝の上にのせてた手をギュッと握ると横から拓也さんの手が伸びてきて私の手を優しく包み込む。


思わず拓也さんの顔を見たら眉間に皺を寄せながらも困惑の表情を見せる。


「花音ちゃん返事はまだいいよ。俺をそういう対象で見て欲しかったから伝えたんだ。それに部長たちにも俺の気持ちを知ってもらいたかったからみんなの前で言ったんだ」

ごめんね、と。

「田中…お前」

原田部長は深い溜め息をついた。

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