溺愛カンケイ!

「俺は本気だからね、花音ちゃん」

田中主任が言ったあと沈黙がしばらく続く。

その沈黙を破ったのが蓮にぃだった。


「あのー、紫音さんは…花音のお兄さんはかなり手強いと思いますよ。花音に近づく男には容赦ないから」


蓮にぃ…?


「主任、花音の事本気なら紫音さんにも認められないとダメだと思いますよ」

「そうだな、貴重な情報をありがと」

田中主任はニカッと歯を見せて笑う。


これからどうしよう。
私は救いを求めるように拓也さんを見ると私の方を見ることはなく、触れていた手に更に力を込めギュッと握ってくれた。


まるで“大丈夫だ”と言ってくれているかのように…。
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