溺愛カンケイ!
隠し事の代償
今日は久々にクライアントとの打ち合わせに同行していた。
打ち合わせが終わり拓也さんとエレベーターを待っていたら後ろから声をかけられた。
「河野君、少しいいかな」
振り向くとさっき打ち合わせした川井専務が立てっていた。
「何でしょうか」
「ちょっと君と話がしたいんだが…」
川井専務の言葉に拓也さんがチラッと私を見て
「分かりました。小林、先に帰って今日打ち合わせした資料を纏めておいてくれ」
「あっ、はい分かりました」
ギュッとファイルを持っていた手に力がこもる。
「じゃあ行こう、河野君」
拓也さんたちは会議室に戻っていく。
その後ろ姿を見送りながら変な胸騒ぎを覚えた。
はぁ、と溜め息をつきエレベーターに乗り、電車を乗り継ぎ会社に戻った。