溺愛カンケイ!
食事が終わり蓮にぃが家まで送ってくれる事になったけど何も喋る事が出来なかった。
「花音、どうしたんだ。元気がないけど」
心配そうに私の顔を覗き込む。
「そんな事ないよ」
落ち込んでいる姿に気付かれたくなくて慌てて誤魔化す。
「そんな事ない訳ないだろ。飯もろくに食べてなかったし」
「あ……、お腹が急に痛くなっちゃって…」
「本当か?」
蓮にぃは疑いの目を向ける。ダメだ、上手く誤魔化せない。
「本当だよ。心配しないで、蓮にぃ」
「ならいいけど。じゃあ、ちゃんと戸締まりして寝ろよ」
「うん、ありがとね。蓮にぃ、おやすみなさい」
蓮にぃを見送り部屋のドアを開け、ガチャリと鍵を閉めそのままズルズルと玄関に座り込んだ。
「うぅっ…っく…」
今まで我慢してた涙が溢れる。
あれは見間違いなんかじゃなかった。
拓也さん…あの女の人は誰なの。
何で腕を組んで楽しそうに歩いてたの?
涙と嗚咽が止まらない。