溺愛カンケイ!

「田中主任、気のせいですよ。大丈夫ですから」


慌てて自分のデスクに座る。
やっぱり昨日の態度が変だったのはバレてる。蓮にぃにも言われたし。


「はぁ…」


小さく溜息をついた時に拓也さんと目が合った。


昨日の拓也さんと女の人の姿が頭にちらつきフイッと視線を逸らす。


考えちゃダメだ。仕事しよう。
パソコンを起動させた。



お昼になったけど全く食欲はない。
そのまま仕事を続けてると


「花音、社食に行こうぜ」

「あっ、蓮にぃ。私はいいよ。この書類のデータを打ち込むのキリのいいとこまでやりたいし…」

「それは後にしろ。いいから来い」


無理矢理手を引かれ食堂に向かった。


「俺はA定で、花音は?」

「私は今、欲しくないからいいよ」

「ダメだ、スープでも何でもいいから何か口に入れろ」


蓮にぃの有無を言わせない態度におとなしく従い、テーブルに座った。
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