溺愛カンケイ!
ふとボードを見ると拓也さんは山川商事に行く事になってる。
今日も…か。
自分の席に戻り資料をボーッと見つめる。
やっぱり、あの女の人と拓也さんは何か関係があるんだろうか。
仲良さげに腕を組んで歩いてるのをこの目で見たし。
もしかして私は邪魔してる、とか?
ズキズキと胸が痛み静かに目を閉じた。
どうしたらいいんだろう。
でも、拓也さんに直接聞く勇気もない私は意気地無しだ。
これ以上考えても答えなんて出ない。
何とか頭の中を切り替え仕事に取りかかった。
―――――――――
―――――――…
定時を過ぎた。
ふぅ、今日はここまでにして帰ろう。
帰る支度をしてたら携帯が振るえる。
拓也さんからだ。
一瞬、電話に出るのを迷ったけど思い切って通話ボタンを押した。
「…もしもし」
「花音、仕事は終わったのか?」
大好きな拓也さんの声だけど今は聞くのが苦しい。
「はい」
何だろう、いつもより緊張して声が震える。