溺愛カンケイ!

電話が切れ、呆然とその場に立ち尽くしていると

「あれ~花音チャン、今終わったの?」

花山主任に声をかけられた。

「あっ、花山主任…。お疲れさまです」

「ねぇ、何でメガネかけてんの?」

不思議そうに私を見る。


「これは…コンタクトの調子がおかし…『嘘でしょ」

「えっ」

「花音チャン目はよかったじゃない。何がコンタクトよ。それ、伊達でしょ」

鋭いな。
何でも見透かすような花山主任に私は敵わない。

「…はい」

観念して頷いた。


「花音チャンどうしたの?そんな悲しい顔をして…。花音チャンの力になりたいから、話せる事なら私には何でも話してね」


花山主任の暖かさに触れて、今まで堪えていた涙が溢れ出した。

「花、山主任…うぅっ…」

「花音チャン…」


花山主任は何も言わず優しく抱きしめ背中をさすってくれる。
会社の前だったので社員の人がチラチラ見ていたけど私の顔を隠すように気遣ってくれた。
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