溺愛カンケイ!
~拓也side~
クライアントとの打ち合わせが終わり帰ろうとエレベーターを待っていたら
「河野君、少しいいかな」
川井専務が話しかけてきた。
打ち合わせの時に何か不手際があったのだろうか。
「何でしょうか」
「ちょっと君と話がしたいんだが…」
何の話だ?と思いながらも分かりましたと返事をして花音を先に帰すことにした。
専務と会議室に戻り椅子に座った。
世間話を交えながらも、特に仕事の話ではなく何故わざわざ呼び止められたのか分からなかった。
「この後、一緒に食事でもしながら仕事の話の続きをしないか」
「仕事の話…ですか?構いませんが…」
いきなり飯を食いながら?接待か。
「そうか、じゃあ準備をするから待っていてくれ」
しばらく待っていると専務が一人の女性を連れて戻ってきた。
誰だ?
その時、俺の携帯が鳴った。
「待たせたね、君に私の娘を紹介したいんだよ」
「はっ?」
俺は携帯を見るタイミングを失った。