溺愛カンケイ!
「河野君、これが私の娘の咲だ」
連れの女性を紹介してきた。
「初めまして、拓也さん。川井咲と申します」
俺の前にやって来てにこやかに笑い右手を差し出す。
「初めまして、河野拓也です」
何で娘を紹介されないといけないんだと思いながらも自己紹介する。
「ウフフ、やっぱり素敵だわ、拓也さん」
「専務、これはどういう事ですか」
「いや、どうやら君がうちの会社に来た時に咲が一目惚れしたらしいんだよ。紹介してくれと頼まれたんだ。河野君、君の事は私も気に入ってるんだ。うちの咲と結婚を前提に付き合ってくれないか?」
はぁ?何だよそれ。
そんなくだらない話をするためだけに呼び止めたのかよ。
「専務、申し訳ありませんが私にはお付き合いしてる女性がいるのでそのお話はお断りさせてもらいます」
ハッキリと断ると専務は表情を変えた。