溺愛カンケイ!

「私は構わないといいましたよ。諦めませんから」

全く話にならない。失礼します、と言い会社に向かって歩き出す。


「拓也さん、忘れ物」

あの女が言い、振り向いたらキスされた。
怒りを覚え、キスされた唇を手の甲で拭う。


その時「花音チャン」という声が聞こえた。


「花音?」と呟き、声のした方を見ると花音の後ろ姿が見えた。


まさか、今のを見られたのか?


身体が自然に動き花音を追いかけ走り出した。


「花音、待ってくれ」


叫んだが花音は来ないでと言う。
腕を伸ばし花音を掴まえようとしたら振り払われた。


花音の口から嫌、触らないで…と。

やはりさっきのキスを見られたんだと確信した。
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