溺愛カンケイ!
交錯する想い
…んっ、数回瞬きをしゆっくり目を開けると見たことのない白い天井が。
ツンとした臭いが鼻を掠める。
これは薬…?
それよりここは、病院…?
思うように頭が働かない。
私どうしたんだっけ…起きあがろうとすると
「いたっ…」
身体中に痛みが走った。
「おっ、花音。やっと目が覚めたか、この眠り姫は。ったく心配させんなよ」
ギッと音をたて、パイプ椅子から立ち上がり私に声をかける。
その声はよく知ってる。
間違いない、紫音にぃだ。
「お前はバイクに跳ねられたんだよ」
バイク…そうだ、横断歩道でバイクが…。
跳ねられた?
「花音、俺が分かるよな?」
私の顔を覗き込むように視線を合わせる。
「うん、分かるよ。紫音にぃでしょ。どうしてそんな事聞くの?」
「花音、頭も打ってたみたいだから」
ほっとしたようにドカッとパイプ椅子に座り直す。
「そっか。それよりも紫音にぃ、何か身体が痛い」
よく見ると腕にギブス…?
「はぁー」
紫音にぃは私の言葉に呆れたように深い溜め息をついた。