溺愛カンケイ!
山川商事の会議室。
「専務、お忙しいところ申し訳ありません」
「いや、いいんだよ。河野君から話があると言われたら、他の予定なんかキャンセルするよ」
ご機嫌な専務に心の中で舌打ちをする。
「今日は折り入ってお願いがあって来ました」
「ほう、それはいい話なのかな」
専務は足を組み返しソファーにもたれ掛かる。
いい話な訳がないだろ。
苛々を落ち着かせ
「今後、個人的な用件で私を呼びつけたりしないで下さい。仕事とプライベートを一緒にされたら困ります」
「何を言っているんだ?」
「私は仕事をしに御社に来てるんです。プライベートで関わるつもりは微塵もありません」
「君はうちの咲が気に入らないのか?」
専務は不機嫌さを露にし語気を強める。
「気に入るも入らないも私には将来を考えてる女性がいるんです。だから専務に何と言われても咲さんと付き合うことはありません」
キッパリと言い放った。