溺愛カンケイ!
山川商事を後にすると部長に連絡を入れた。
「お疲れさまです、河野です」
「おぅ、拓也どうなった?」
「何とか話は付けました。今後はプライベートな事まで話をしてこないと思います。専務に一筆書いてもらったので」
「そうか…取りあえずよかったな」
部長もホッとしたように息を吐く。
「はい」
「次はしっかり花音ちゃんと向き合って話をしろよ」
フラれんじゃねぇぞ、と。
「分かりました。いろいろありがとうございました」
それより部長、今の俺にその台詞は言わないで欲しい。
「いや、頑張れよ拓也」
「はい」
電話を終え、深呼吸した。
心の重荷がひとつなくなった。
あとは花音と話し合うだけだな。
部長の言葉に力をもらいぐっと足を踏み出した。