溺愛カンケイ!
拓也さんの身体に腕を回し抱きついた。
左手はギブスしてたから添えるだけだったけど。
「うぅっ…よかった…よかっ…たよぅ」
拓也さんの服が私の涙で濡れていく。
ホッとしたら涙が洪水のように止めどなく溢れてくる。
「ごめんな、花音…」
拓也さんは優しく囁きギュッと抱き締めて背中撫でてくれる。
あぁ、このシトラスの香り…私の大好きな拓也さんの香りだ。
やっと触れることが出来た。
しばらく抱き合っていると拓也さんは私の顔を見つめ前髪をそっと手で払い
「花音…お前の綺麗な顔に傷を作ってしまって悪かったな」
紫外線を防ぐためにガーゼで隠してた傷跡を優しくなぞる。
「あっ、これは私が逃げ出したのがいけなかったの。だから拓也さんのせいじゃないっ」
ブンブンと首を振る。