溺愛カンケイ!

「なぁ、花音。一つ気になってる事があるんだが」

「何ですか?」

胸元のネックレスをニヤニヤしながら夢見心地で見てた私を拓也さんが現実に引き戻す。


「一人でその腕のギブスが取れるまでどうやって生活するんだ?左手、使えないだろ」

「あっ…」

「まさかとは思うが何も考えてなかったとか言うなよな」

「………、」

ハイ、その通りです、何も考えてませんでした。
なんて言えないよ。


どうしよう、紫音にぃは…駄目だ。
結婚してるし奥さんの有紗ちゃんにも迷惑がかかる。

お父さんとお母さんは仕事でアチコチ飛び回って今は日本にいないし。

あっ、綾にでも頼もうかな。


「はぁー、花音お前は…」

呆れた様子の拓也さん。

「大丈夫ですよ、多分。綾に頼んでみますから」

「綾って…あぁ、友達か」

このあとにでも、綾に連絡してみよう。
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