溺愛カンケイ!
「言う事を聞かない子ね。早く行きなさいって言ってるでしょ。拓也さんが来る前に…」
「オイッ!何をやってる」
不意に聞こえた声。
拓也さんが私の側に駆け寄り身体を包み込むようにして抱き締め、女の人を睨み付けた。
「あんた、専務…父親から言われなかったのか?二度と俺には近付くなと」
今まで聞いた事のない低くて地を這うような怒りを纏った拓也さんの声。
自分に言われた訳じゃないのにビクリと一瞬身体が強張った。
「言われたわよ。でも私には関係ないわ。あなたの事を気に入ったんですもの。そんなガキ臭い女より私の方が魅力的でしょ」
自信に満ち溢れた表情で言い放つ。
「いい加減にしろよ。花音を傷つける奴は女だからって俺は容赦しない」
拓也さんが専務の娘を怒鳴りつける。