溺愛カンケイ!

「花山主任…あの…」

何を言えばいいか分からず言葉を詰まらせる。
そんな私に

「大丈夫よ。浩介がフラれるのは可哀想だけど私と雅治で慰めてあげるから。花音チャンは何も心配せず正直に自分の気持ちを伝えるのよ」


ふわりと優しく微笑む。

私は何度も頷き

「はい、ありがとうございます。花山主任に聞いてもらえてよかったです」

心からそう思った。
後輩思いの素敵な先輩。

花山主任の言葉は私に勇気を与えてくれる。




昼からは真面目に仕事に取り組んだ。


あとは…この数字を打ち込むだけ。
パソコンのキーボードに手を置いた時、


「か~のんちゃん」


いきなり田中主任が王子様スマイルで私とパソコン画面の間に顔を出してきて

「うわっ…」

驚いて仰け反ったら

――…ガッターン、

派手な音をたてて椅子をひっくり返し、滑り落ちるように床に尻餅をついた。

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