溺愛カンケイ!

「あのっ…私、田中主任に謝らないといけない事があるんです」

「えっ…」

田中主任は驚いた顔をしてる。
それはそうだよね、突然質問した答えと違う事を私が言い出したんだもん。

膝に置いてる手をギュッと握り、ふぅと息を吐き出し

「ずっと黙っていたんですけど…私には付き合っている人がいるんです…」


田中主任は言葉を無くし目を見開いて唖然とした表情で私を見る。

その表情に罪悪感に押し潰されそうになり、次の言葉を喋り出すのを躊躇しそうになる。
でも、

「田中主任に言わなきゃってずっと思ってたんですけどなかなか言い出せなくて…。ズルズルと引っ張って騙すような事をして本当にごめんなさい」

テーブルに額がつくぐらい頭を下げて謝罪する。

今まで主任に嘘をついていたんだ。
許してもらえるとは思わないけど、正直に話して謝る事しか出来ない。


私と主任の間に冷たい空気が漂っていた。

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