溺愛カンケイ!

そんな重苦しい雰囲気の中、田中主任は静かに口を開いた。

「ねぇ、花音ちゃん頭を上げて」


その声にゆっくり頭を上げると主任がじっと私を見つめていた。


「花音ちゃんの付き合ってる人ってどんな人?もしかして俺の知っている人、とか?」

「あっ…、それは…」

言葉に詰まる。
どうしよう、言ってしまおうか。

バクバクと心臓の動きが異常なくらい速くなりぶあっと身体から汗が吹き出そうだ。

あれっ、呼吸ってどうすればよかったっけ。
吸って吐けばいいんだよね。
一人パニクってると

扉をノックする音がし、ゆっくりと扉が開きそこから顔を出したのは…

課長、拓也さんだった。


「はっ…?河野課長が何でここに。えっ…どういう事ですか」


突然課長が来た事に田中主任は驚きを隠せず、怪訝そうに眉をしかめていた。

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