溺愛カンケイ!

ハンカチを私の手に握らせて

「課長も、もういいですよ。正直に話してくれてスッキリしました」

「田中…」

「まぁ、花音ちゃんが課長の事を好きなんだろうなとは前々から思ってたし…。でもまさか課長が花音ちゃんの事を好きになってたなんて予想もしませんでしたよ」


田中主任はハハッと笑いながらいつもの明るい声を出す。
それが無理矢理出している感じがして胸が詰まる。


「田中、黙ってて本当にすまなかった」

拓也さんはもう一度頭を下げる。


「もう止めて下さいよ、課長。俺ってモテるし…、この先花音ちゃんよりいい女の子見つけますから」

花音ちゃんも気にしないでね、と笑う。

どうしてそんなに優しいんですか?
責められてなじられても仕方ない事をしたのに。

心の中で何度も何度も謝った。



「でもしばらくは花音ちゃんを諦める事は出来ないかも知れないな…」


田中主任は聞こえないぐらいの小さな声で力なく呟いた。

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